3〜4年前、「アドラー心理学」が流行りました。
主なきっかけとなったのは、この『嫌われる勇気』という本。
今年1月からは、この本を題材としたドラマもフジテレビで放映されましたね。
比較的みなさんの記憶に新しいのではないかと思います。
アドラー心理学とは
一言で言えば、「目的論」。
人は過去の「原因」によって突き動かされるのではなく、いまの「目的」に沿って生きている。そう考えるのがアドラー心理学です。
例えば、過去のトラウマから何年も部屋に引きこもってしまった青年がいたとします。
一般的には「外の世界に対して不安を抱いてしまうから、引きこもってしまう」という因果関係が描かれるかもしれません。
しかし、アドラー心理学は違います。
このケースで言うと、「彼は部屋に引きこもりたいから、不安を自分から抱き寄せている」と考えるのです。
ナチュラルボーンアドラー
このアドラー心理学の考え方が大きくヒット。テクノロジーの発達で、人間関係がより深みや広がりを増す時代となり、そしてそれに伴い人間関係に関する悩みを抱えた人も増えた、ということなのではないかと推測しています。
さてそんな中、「生まれながらにして、アドラー心理学を実践している人」を、ナチュラルボーンアドラーと呼びます。
そしてぼくは、ナチュラルボーンアドラーです。
ナチュアドのきっかけは高校時代
勉強しないバカ
アドラー心理学を自然に身につけたのは、高校時代。当時、ぼくはまったく勉強ができませんでした。授業についていけない日々は、めちゃくちゃ憂鬱。
ただ、ここでぼくは「やばいなもっと勉強を頑張ろう」ではなく、「なんで勉強できないと憂鬱なんだろう」という思考に至りました。
呆れるほどのバカです。
憂鬱の正体
当時、その疑問に対する答えはあっさり出ました。
授業で答えられなかったりテストの点数が悪かったりして、他人に「アイツは勉強できない」と思われること。それが、憂鬱の正体だったのです。
他人と比べて劣っているという自覚、アイツは成績が下だと他人に見下されているような感覚。(ホントに下なんだけど)
憂鬱の正体はそういった劣等感でした。
憂鬱への対処
そして憂鬱の正体を知ったぼくは、対処法を考え、これまたあっさりと答えが出ました。
それが、劣等性を気にしないこと。シンプルイズベストとはこのことです。
他人が思う自分(客観)ではなく、自分が思う自分(主観)がすべて。そう考えるようになってから、肩の力がふっと抜け、憂鬱な気持ちは無くなりました。
成績は悪いままでしたけれども。
時を経て、重なる。
こういった考え方が、大学に入ってから知ったアドラー心理学と重なっていました。『嫌われる勇気』の第2章にこうあります。
・劣等性に関する問題は、その事柄について自分がどのような意味づけをほどこすか、どのような価値を与えるのか。
・われわれを苦しめる劣等感は、「客観的な事実」ではなく、「主観的な解釈」。
まさに僕が身につけていった考え方です。
自分と向き合う考え方
高校時代のおかげでぼくは、他人の目に鈍感になりましたし、自分の心情には敏感になりました。
学生時代の友達から僕は「自分を持っている」と言ってもらえますが、高校時代の経験が本当に大きく影響しています。
アドラー心理学。僕はこれを、自分と向き合う考え方だと解釈しています。
客観を排除して主観で考えられたからこそ、僕は現在東京で生活しています。
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ナチュアドでない方にも
『嫌われる勇気』に関しては、劣等性以外も、共感できるところがほとんどでした。
「自分の課題と他人の課題」とか、それこそ「目的論」とか。僕はナチュアドでしたが、そうでない方にとっても楽しめる本です。
ぜひ一度、読んで観てはいかがでしょうか。