森保監督が掲げる「成長」とは、どういったものなのだろう。
コパ・アメリカ2019、グループCでの初戦に臨んだ日本代表は、0−4でチリ代表に完敗。
大会2連覇中の現南米王者を相手に“妥当”なスコアで敗れた一戦は、大きな疑問が残るものとなった。
攻守ともに戦術が見受けられず。
個人的な結論から言うと、チームとしての成長を感じさせるゲームではなかった。
4−2−3−1のフォーメーションで臨んだ日本代表。試合を通して素早いトランジションが目立つ攻防となったが、日本のおもな攻撃の糸口は2列目に起用された前田、久保、中島の個人技だった。
多くの味方が絡む「日本らしい」とされるデザインされた崩しは見受けられず、単独での個人技がチリの守備網に引っかかっていた日本代表。また攻撃だけでなく守備においても、さほどルールを設けていないのか、とにかく後手を踏み続けた(その結果が4失点だろう)。
これまでの森保ジャパンでも見られたことであり、何を今さら指摘しているのか、という話にもなる。しかし、DAZNのハーフタイム中に少し映ったメンバー発表会見時の森保監督を見て、ぼくは急に寒気がしたのだ。
チームとしての成長は。
森保監督は、コパ・アメリカを「成長」の舞台にしたいと話していた。ワールドカップ予選や東京オリンピックに向けて、“アウェイ”で本気の南米と戦い、日本代表として強くなるという魂胆だろう。
しかし今回のチリ戦、チームとして上積みはあっただろうか。明日以降、成長できるのだろうか。
チームとして特に戦術を持たず、個人で戦っていた印象がある。ゆえに個人として戦い、個人として糧や上積みを得ることはできたかもしれない。
しかし、である。日本代表として、森保監督として上積みを感じてくれているのか。その手ごたえのなさから課題を見極められているのか。
個人レベルの成長ももちろん重要だが、当然今日のメンバーがW杯予選やオリンピックを戦うとは限らない。チームとして成長しなければ、同じメンバー頼みになり、極端な話コパ・アメリカという機会をムダにしてしまう。
ぼく個人的にチリ戦は、今後が不安になる一戦となってしまった。
次戦は6/21 8:00〜
次戦の相手はウルグアイ。
このままではきっと、今日と同じように完敗を喫してしまうだろう。
嫌な予感という予防線を張りつつ、日本代表の進化に期待したいところではある。