どうも、ぼーの(@nobo0630)です。
11月30日放送の『news zero』で、Mr.Childrenの桜井和寿と嵐の櫻井翔さんの対談企画が放送されましたね。
ミスチルが大好きな僕にとっては、そこで桜井和寿さんが発する言葉のひとつひとつが尊く感じられました。まさしく、ミスチルの歌のように。
そこで今回は、オンエア分の2人の会話を文字に起こしてみました。間のVTRの内容などは端折りましたが、なるべく2人の“間”を忠実に書き起こしたつもりです。
ミスチル桜井さんの死生観や原点、また嵐の活動休止などについて語られた今回の対談。
何気なく見逃してしまったという方に、ぜひ読んでいただきたいと思っています。
- オープニング
- 出口の見えないコロナ時代に…
- 「smile」制作の裏話
- “終わり”を意識し見えてきたもの
- “仏像”と“音楽”の共通点・時代を超える“音楽”作り
- 才能を持つ後輩たちに思うこと
- 戦いの先に見えた“原点”
オープニング
和寿:同じ名字の人と対談したことってあります?
翔:確かに、でもないですね
和寿:なんて呼んだらいいやら
翔:(笑)
出口の見えないコロナ時代に…
翔:まずは2020年の年末というところで、コロナ禍の中をどうお過ごしになられたのかをお伺いしたいですけれども。
和寿:何かアクションを起こす気にもならず、ひたすら…迷ってました。出口が見えないのに、アウトプットをどこに設定していいのかが分からない、ので。
翔:へえ、そうだったんですか。皆さんもそうでしょうけど、やり残したことが生まれてしまった1年かなと思うんですけど
和寿:僕は諦めるのが上手いっていうか、すぐに「しょうがないな」と思ってしまうし、音楽にしろスポーツにしろ、プラスαのあり余った力があるからこそ、動かせるもののような気がするんですよね。だからコロナで経済、生活をこう…回すのが精いっぱいの時に、まあ僕らが動けないのはしょうがないと思うし、その覚悟を持って僕は音楽の道を選んだから。
「smile」制作の裏話
翔:自分たちの活動がこれもできない、これもどうなるか分からないという中、桜井さんに書いていただいた「smile」
和寿:ええ、ええ。
翔:本当になんかこう、手元にきた宝物のようなもので、すごい嬉しかったんですけど。
和寿:一番みんながその、スマイルを必要としている時に、一番この曲を歌うにふさわしい方々が歌ってくれて、作家冥利に尽きる感じでした。最後の「[君の笑顔に逢える]それだけで生きていける僕がいる」っていう歌詞は、もう本当に、ジャニーズのみなさんが歌ってくれる、だからこそ書けたし
翔:いやあ、嬉しいですよ、そう言っていただけて。
“終わり”を意識し見えてきたもの
翔:今回のアルバムで言うとやっぱ「Documentary film」が、もう本当に、ガツンと刺さると言ったらいいのか
昨日は少し笑った その後で寂しくなった
君の笑顔にあと幾つ逢えるだろう
そんなこと ふと思って
和寿:なかなか日常って、毎日毎日続いていくものだから、そこにあるものは輝いては見えないんだけど、明日僕が命尽きるかもしれない、って思った時に、今日が輝くようなことがあって。そういう日常を慈しむような視点が、死をイメージすることでできるようになっているのが最近ですね。
君が笑うと 泣きそうな僕を
和寿:大概「君が笑うと僕も笑う」なんだけど、ああいつまでこの笑顔を俺は見てられるんだ(と思う)。自分が消えていくことっていうのがうっすらと、イメージできないと、そんな心境にはならないだろうなと思うし、そういう意味では…刺さるんでしょうね。(笑)
翔:本当に、お手上げでした。
2人:(笑)
和寿:どうですか、(活動休止まで)あと1ヶ月とちょっと、どういう心境です?
翔:今の桜井さんの話に通ずるんですけど、なんでもない日常が、急に輝いたりっていうのはしますね。今まで普通だったけど、横でメンバーが爆笑してるみたいな。ああなんかこんな時間すてきだな、って思っちゃうっていうか。
和寿:でもその、長年いる5人だから4人だからじゃないと、出せないものってきっと、あるんだと思うし、それはとっても得がたいもの、素晴らしいものだと僕は思いますけどね。でも自分がバンドをやってそれをいつも感じられるかって言ったら、なかなか感じられないです。
翔:ああ、なるほど。
和寿:楽しみにしていること、はあります?
翔:…正直分かんないです。やっぱり今まで、もう巨大クルーズ船みたいな船にみんなで乗っていて、こっからはきっと、自分1人の小型船に乗り換える中で。うん…楽しみなことというよりきっとこっから必死になることの方が多いでしょうし、「さあこっから勝負だな」っていう思いの方が強いのかもしれない。
和寿:そうなんだ。へえ。
“仏像”と“音楽”の共通点・時代を超える“音楽”作り
和寿:何年か前から仏像がすっごい好きで、なんでこんなに心惹かれるんだろうなと、思って自分なりに解析してみると、まず仏像を彫った彫刻家というか、仏師さんがいて、「こんな仏がいてくれたら、どんなに自分の魂は救われるだろうな」って彫ってると思うんですよ。
多分その気持ちと、音楽を制作するっていうことはすごく似てて、なんか願いを込めて「こんな俺になりたい」とか「こうなったらいいのに」っていうものを、音にして作品にするんですよね。
和寿:で、仏像は何百年それが形として残ってて、いろんな世代が、もう入れ替わり入れ替わり仏像に触れて、癒されたりしてるっていう、そんな作品を作りたい。それはもう“願い”…ですね。だから魂を込めて作りたいと思うし、魂を込めて歌いたいと、思ってますけど。
才能を持つ後輩たちに思うこと
翔:なんか後輩たちに、いろんなものを伝えたい、いろんなものを感じてもらいたい、嵐を通して、って思う一方で、絶対に越えられない壁にもなっておきたいなというような、なんかこう…矛盾する感情があるんですけど。
和寿:とってもよく分かります。
翔:ああ、本当ですか?
和寿:はい。僕、20年ぐらい前までは、結構調子に乗ってて、
翔:(笑)
和寿:シンガーとして日本代表っていうものがもしね選考されるとしたら、まあ絶対選ばれるだろうなと思ってたんですよ。ところが、ここ最近のこの、うまいシンガーを目の当たりにして「俺もう絶対無理」って、えーとね、5年ぐらい前に思ったのかな。
翔:へえ。
和寿:そっから、ボイストレーニングの先生について歌を習って、スタメンじゃないけど、(日本代表に)入れてもらえるんじゃないかなぐらいな自信に、やっと戻ってきました。
翔:ええ、スタメンじゃないわけがないと思いますけど(笑)、へえ。
和寿:いやいや、本当にもう、みんなうまいですよね
翔:やっぱりそれは少しの「負けてらんねー」っていうような想いっていうのは…?
和寿:でも今は、もう悔しいというよりも「俺には俺のよさがあるはずだ」っていう(笑)
翔:(笑)
和寿:もうあんなトップスピードでは走れないけど、ポジションを後ろにして、周り見ながらっていうような、心境ですかね。
戦いの先に見えた“原点”
翔:このおよそ30年の中で、戦い続けなければならないMr.Childrenとしてここはっていうような、シチュエーションってあると思うんですよね。
和寿:そうですね。戦い続けなきゃいけないような気持ちになることは、結構あります。あるけど、考えて結局行き着くとこは、「俺好きでやってんだよな」っていう。そこだけは忘れずに。
翔:「俺これ好きでやってんだよな」って感じる瞬間って、どういうシチュエーションで…?
和寿:お風呂で歌を歌っている時です。
翔:へえ〜。(笑)
和寿:あんな好きで歌っている時ないですよ、だって誰も聞いてないのに。
翔:へえ、面白いですね、それ。
和寿:「(ステージでは)これでもし俺、声が出なかったらどうしよう」っていう感じで、怖くなる時があるから。お風呂場はそんなプレッシャー感じないもん。(笑)
翔:(笑)